睡眠障害と過眠症

睡眠障害の症状、原因、治療、チェック方法など単なる不眠と片付けがちな睡眠障害について、様々な角度から徹底解説。
2,000人以上が不眠症を克服!話題の不眠症克服法
 不眠症に関する書籍の著者でもある浜松医科大学名誉教授で精神医学博士の高田明和が学会で発表・実践し、2,000人以上の治療を行ってきた不眠症克服方法。不眠症で眠れない夜を過ごしている方へ深い眠りにつける方法を解説しています。
睡眠障害と過眠症

日中、仕事中や授業中などに、とても眠くなって困ったという経験は、誰にでもあることだと思います。しかし、その眠気が、耐えられないほどだったり、毎日続くというような場合は、病気の可能性を疑う必要があります。昼間に眠くなるなんて、緊張感がないと反省したり、眠くなることと病気が、なかなかつながらずに、それが病気だということには、気づきにくいことが多いです。

過眠症(ナルコレプシー)という病気は、睡眠障害のひとつで、その主な症状は、昼間でも突然、強い眠気に襲われ、眠り込んでしまうという睡眠発作などです。重要な商談や試験の最中にもかかわらず、眠気がくることが多いという方は、要注意です。

副症状としては、情動脱力発作という症状が起きます。この症状は、例えば、怒ったり笑ったりするときに、力が体中から抜けてしまったり、倒れこんでしまうことがあります。このような症状がある場合や、耐えられないような眠気が、2~3ヶ月もの間続くという場合は、過眠症の可能性があります。

過眠症になる原因は、遺伝的な体質、そして、環境因子(ストレスなど)が重なることによって、起こるようです。しかし、ほとんどが、明確な原因が分かりません。また、手術や頭部に外傷を受けたり、睡眠不足が長く続いたときなど、身体的に大きなストレスがかかった直後に発症することが多いようです。

過眠症の対処法としては、まず、夜は、しっかり睡眠をとるということが大事です。それでも、昼間に強い眠気があるというときは、かかりつけの内科や神経内科精神科、睡眠外来で診断を受けるようにしてください。

また、過眠症による副症状には、情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚、自動症、夜間の熟睡困難などの症状があります。

情動脱力発作とは、激しく怒ったりしたときなど、興奮した状態のときに、体中の力が抜けて、膝がガタガタしてしまい、持っているものを下に落としてしまうというような症状です。また、声を出すための筋肉や、顔の筋肉まで力が入らず、言語がうまく話せなくなることもあるようです。

睡眠麻痺とは、入眠するときに、幻覚と金縛りが起こるものです。覚醒から睡眠への移行期に、突然、体に力が入らなくなり、声も出せなくて、体がどうしても動かないといった、いわゆる「金縛り」の状態になります。これも、発病する初期の段階によく起こることです。時には、呼吸困難に近い感じがすることもあります。多くの場合、幻覚を見たり、恐ろしい夢を見たりします。

入眠時幻覚とは、入眠時の半分起きて半分寝ているような時に、とてもはっきりとした夢のような幻覚を見るというものです。誰かが、鍵のかかったドアを開けて、部屋の中に入って来たとか、自分の体の上に乗っかってくるとか、凶暴な動物に襲われるなど、生々しく現実的な幻覚を見たり、幻聴を聞いたり、触られるような感じがしたりすることがあります。あるいは、自分が飛んで窓から外へ出て行くという、浮遊感覚が起こることもあるようです。

自動症とは、自分では眠いという自覚がないのに、行動したことを全く覚えていない状態のことです。夜間の熟睡困難は、睡眠サイクルが乱れることで、夜、熟睡できないという症状です。はっきりとした夢を見ることで、熟睡感が得られません。過眠症では、大脳が、覚醒時に近いレム睡眠が頻繁に起こっているため、熟睡することができません。夜間の熟睡困難によって、頭が重く感じたり、頭痛がしたり、複視などの原因になったりすることがあります。

次の記事 >> 一過性の不眠
睡眠障害でお悩みの方へ 新着情報

安全性が向上してきているとはいえ睡眠薬を服用する際には、いくつかの注意したほうがよいでしょう。糖尿病や高血圧などの薬を複数服用している場合には特に注意が必要となります。糖尿病や高血圧の病気で処方される薬の中には睡眠薬と一緒に服用してしまうと、睡眠薬の分解を遅らせる作用をもつものもあるからです。このため薬の作用がつよく出てしまうことがあります。他に薬を服用している場合にはそのことを医師や薬剤師にきちんと伝えて相談したほうが良いでしょう。

また食品で気を付けなければならないものもあります。コーヒーや紅茶、緑茶、チョコレートなどのカフェインが含まれている食品の場合は注意したほうがよいでしょう。実はカフェインには覚醒作用や利尿作用があります。そのため飲む時間や量には十分に気をつけたほうがよいでしょう。また、アルコールと一緒に飲んでしまうとそれぞれの作用が効きすぎてしまう恐れがあります。ほかにも妊娠している方、妊娠している可能性のある方、そして授乳中の方は睡眠薬を飲んではいけません。

それは睡眠薬は、赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるからです。妊娠中に睡眠薬を常用していた母親から生まれた赤ちゃんの場合は、睡眠薬の中毒をもって生まれてくる可能性もあります。最近の日本では5人に1人が睡眠障害で悩んでいるといわれています。現在いろいろな場面でストレスを感じることが多くなってきていることも背景にあげられます。職場や近所付き合い、学校などの場所で人間関係などがストレスが原因となり、睡眠障害になってしまう人が増えてきています。これらのストレスを改善するのが大切となりますが、睡眠障害の薬をうまく利用しながら改善していったほうが良いでしょう。