睡眠障害の中で、睡眠中に現れる症状のひとつに、睡眠時遊行症(Sleep walking)というものがあります。これは、いわゆる「夢遊病」と呼ばれるものです。この症状は、小児の10%以上に現れるという報告もあります。
たいていは、とても深い、ノンレム睡眠の時に現れます。そのため、入眠してから1時間前後に認められることが多いです。発症する年齢は、4歳~8歳くらいで、ほとんどの場合、この症状は、遅くても思春期までには見られなくなります。
このように、多くの場合、それほど心配する必要はありませんが、てんかんなど、他の病気によって、その症状が併発するというケースもあります。また、自宅以外で寝泊りする場合には、事故を起こさないよう、注意が必要です。症状がひどい場合には、必ず医師に相談しましょう。
症状が現れて、遊行している最中には、起こさないようにしてください。遊行中は、とても深く眠っている状態なので、無理に起こさないで、布団に戻してあげるようにしてください。睡眠時遊行症は、正常の範囲内の症状とされているので、症状を抑えるような薬は、ほとんどありません。抗うつ薬で症状が抑えられたというケースも報告されているようです。しかし、必ず症状を抑えることができるという薬は、あまりないようです。
自宅でできる対策法としては、もし、症状が現れる時間が、毎晩、おおよそ決まっているようであれば、その時間の15~30分前になったら、強制的に起こすということを、5日~30日くらい、続けてみてください。確実ではありませんが、この方法で治ることもあります。
また、症状を悪化させないために、ストレスや疲労をためないようにしましょう。一部の薬によっては、症状を悪化させるということもあります。薬を服用する際には、医師や薬剤師に相談しましょう。
安全性が向上してきているとはいえ睡眠薬を服用する際には、いくつかの注意したほうがよいでしょう。糖尿病や高血圧などの薬を複数服用している場合には特に注意が必要となります。糖尿病や高血圧の病気で処方される薬の中には睡眠薬と一緒に服用してしまうと、睡眠薬の分解を遅らせる作用をもつものもあるからです。このため薬の作用がつよく出てしまうことがあります。他に薬を服用している場合にはそのことを医師や薬剤師にきちんと伝えて相談したほうが良いでしょう。
また食品で気を付けなければならないものもあります。コーヒーや紅茶、緑茶、チョコレートなどのカフェインが含まれている食品の場合は注意したほうがよいでしょう。実はカフェインには覚醒作用や利尿作用があります。そのため飲む時間や量には十分に気をつけたほうがよいでしょう。また、アルコールと一緒に飲んでしまうとそれぞれの作用が効きすぎてしまう恐れがあります。ほかにも妊娠している方、妊娠している可能性のある方、そして授乳中の方は睡眠薬を飲んではいけません。
それは睡眠薬は、赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるからです。妊娠中に睡眠薬を常用していた母親から生まれた赤ちゃんの場合は、睡眠薬の中毒をもって生まれてくる可能性もあります。最近の日本では5人に1人が睡眠障害で悩んでいるといわれています。現在いろいろな場面でストレスを感じることが多くなってきていることも背景にあげられます。職場や近所付き合い、学校などの場所で人間関係などがストレスが原因となり、睡眠障害になってしまう人が増えてきています。これらのストレスを改善するのが大切となりますが、睡眠障害の薬をうまく利用しながら改善していったほうが良いでしょう。

